藤津比古神社(七尾市)概要: 藤津比古神社は石川県七尾市中島町藤瀬に鎮座している神社です。藤津比古神社の創建は不詳ですが、伝承によると祭神でもある藤津比古神が能登半島で悪行を働いた大蛇を退治し祖神になったとされ、景行天皇(第12代天皇・在位:71〜130年)の時代に祭られたのが始まりと伝えられています。
延長5年(927)に編纂された延喜式神名帳に記載されている式内社でもあり古くから広く信仰されていたと思われます。
当初は雲見山の山頂付近に鎮座していましたが、その後現在地に遷座し治承年間(1177〜1181年)に当時盛んだった熊野信仰(熊野速玉神)と合祀し、以降、熊野権現とも呼ばれました。明治時代初頭に発令された神仏分離令により仏教色が一掃され明治5年(1872)に郷社に列し、明治41年(1909)に神撰幣帛料供進神社に指定されています。
現在の藤津比古神社本殿(三間社流造り、見世棚造)は棟札から正和3年(1314)に建てられ、室町時代の天正4年(1576)に改築、江戸時代の元禄15年(1702)に解体修理したもので北陸地方で年代が明確な中では最古級の古さを誇り昭和42年(1967)に国指定重要文化財に指定されています。
又、藤津比古神社の例祭である"釶打のおすずみ祭り"は古式を伝える行事として貴重な事から昭和53年(1978)に七尾市指定無形民俗文化財に指定されています。"新宮祭の枠旗行事"も同じく古式を伝える行事として貴重な事から平成7年(1995)に七尾市指定無形民俗文化財に指定されています。拝殿は木造平屋建て、入母屋(正面千鳥破風)、銅板葺、平入、桁行4間、梁間3間、正面3間向拝付。祭神:藤津比古神。配祀:熊野速玉神。
藤津比古神社:上空画像
【 参考:文献等 】
・ 郷土資料事典-ふるさとの文化遺産-石川県-出版元:株式会社人文社
・ 現地案内板
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