鶴来別院(白山市)概要: 鶴来別院は石川県白山市鶴来清沢町に境内を構えている真宗大谷派の寺院です。鶴来別院の前身は戦国時代に蓮如上人の7男蓮悟が一坊を設けて地名に因み清沢坊と呼ばれていたのが始まりとされます。その後、蓮如上人10男実悟が跡を継ぎ本山である本願寺(京都府京都市)から許可を得て寺号を願得寺に改称、正式な寺院として整備され石川郡の浄土真宗の中心として重要視されましたが享禄4年(1531)に「享禄の錯乱」と称される浄土真宗本願寺宗門における教団改革を巡る内紛により境内が荒廃します。
天文年間(1532〜1555年)頃に改めて大御坊惣道場が創建、その後は念仏講からなる念仏道場的な存在となり民衆の心の拠り所となりました。明治13年(1880)に本願寺第21世厳如上人があらためて開山し仮堂を建立しました。明治32年(1899)に現在の本堂が建立し境内を整備、明治36年(1903)に鶴来別院の名称を授けられました。
鶴来別院本堂は明治32年(1899)に造営されたもので入母屋、桟瓦葺、平入、桁行9間、正面3間向拝付、明治時代の大型寺院本堂建築の遺構として貴重な事から昭和53年(1978)に白山市指定文化財に指定されています。薬師如来懸仏と金劔宮仏供箱、古銭は昭和52年(1977)に白山市指定文化財に指定されています。親鸞聖人廟所(生歯塚)は昭和52年(1977)に白山市指定史跡に指定されています。山門は加賀藩筆頭家老を歴任した本多家の武家屋敷の門を移築したもので、切妻、桟瓦葺、一間一戸、薬医門。宗派:真宗大谷派。本尊:薬師如来。
鶴来別院:上空画像
【 参考:文献等 】
・ 現地案内板(沿革)-鶴来別院
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