立像寺(金沢市)概要: 妙布山立像寺は石川県金沢市寺町4丁目に境内を構えている日蓮宗の寺院です。立像寺の創建は鎌倉時代後期の永仁2年(1294)日像上人が越前南条郡府中に一庵を設けたのが始まりと伝えられています。
天正11年(1583)に後の加賀藩初代藩主となる前田利長の庇護となり利長の赴任先である小松、守山、高岡、富山と随行し加賀藩主になると金沢城下の河原町に移り、元和元年(1615)に現在地に寺地を与えられます。
江戸時代は小幡家(2代藩主利常の祖母寿命院の再婚先)が庇護したことで寺運が隆盛し、22世優陀那院日輝は充洽園を開設し日蓮宗近世教学の発祥地になりました。山号:妙布山。宗派:日蓮宗。本尊:大曼荼羅。
現在の立像寺本堂は江戸時代初期の寛永15年(1638)に建てられたと推定される建物で、木造平屋建て、寄棟、桟瓦葺き(元こけら葺き)、平入、桁行12間、正面1間向拝付き、外壁は真壁造り白漆喰仕上げ、花頭窓付、外壁中央には「充洽園」の扁額、向拝の細部の様式から桃山時代の文化が見られます。
立像寺鐘楼は元禄元年(1688)頃に建てられた建物で、二重入母屋、桟瓦葺き、下層部(鐘撞堂)は柱のみの吹き放し、上層部(太鼓堂)は真壁造り板張り、花頭窓、高欄付き。本堂と鐘楼は江戸時代初期に建てられた寺院建築の遺構として貴重な事から平成17年(2005)に金沢市指定有形文化財に指定されています。
山門は切妻、桟瓦葺き、一間一戸、薬医門、中央には「充洽園」の扁額が掲げられています。経堂は土蔵造平屋建て、宝形造、桟瓦葺き、外壁は白漆喰仕上げ、道路側隅に位置し良好な町並み景観に大きく寄与しています。
又、立像寺境内周辺は江戸時代の寺町の雰囲気が色濃い町並みが残されており名称「寺町台寺院群」として国の重要伝統的建造物群保存地区に選定され立像寺の堂宇も伝統的建造物に指定されています。
立像寺:上空画像
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