老舗記念館(金沢市長町)概要: 老舗記念館の建物は明治11年(1878)に中屋薬舗(天正7年開業の薬舗)の主屋として建てられたものを大正8年(1919)に改修したものです。中屋家は京都出身の旧家で室町時代末期の天文年間(1532〜1555年)に戸室山に移り、天正7年(1579)から彦兵衛によって薬種業を生業とし、江戸時代初期から金沢南町に店を構えました。
江戸時代中期以降は加賀藩主前田家の御殿薬の処方を拝領し、町でも町年寄り等の上役を歴任しています。
建物は、木造2階建て、切妻、桟瓦葺き、平入り、外壁は道路側正面が真壁造り白漆喰仕上げ、その他は下見板張り縦押縁押え、軒先と1階下屋庇は大きく前に張り出した出桁造り、下屋庇の端部には幕板、2階正面外壁の両端には防火、延焼防止の為の袖壁、間口が広く金沢を代表する大型町屋建築です。
老舗記念館の内部は「みせの間」、「おえの間」、「茶室」、「座敷」、「書院」などが配されていました。昭和62年(1987)に中屋家から金沢市に寄付さたことで、外観が保存され1階の「みせの間」部分が復元、2階が金沢の伝統産業、町民文化に関する資料館となっています。
又、中屋家が所蔵していた当時の薬関係の製造用の道具775点、薬販売の道具292点、合計1067点が平成25年(2013)に国登録有形民俗文化財に登録されています。
老舗記念館:上空画像
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