旧野本家住宅(湯涌温泉)概要: 野本家は代々鳳珠郡能登町(旧柳田村)で名主や肝煎など村では上役を歴任したきた家柄です。現在の建物は江戸時代末期(19世紀前半)に建てられたと推定されるもので入母屋、茅葺、平入、正面には下屋庇、外壁は真壁造、腰壁には杉皮を張り建物の保護する工夫が見られます。内部は正面向って左側がニワ(御白須)と呼ばれる土間空間で当時はここで作業などが行われ、その奥にはダイドコロ、ナガシなどの水廻りと板の間のイマが配されていました。正面右側が所謂接待などで使われる格式の高い造りでツギノマ(8畳)、カミザシキ(10畳)、ブツマ(3畳)がありその奥にはヒカエノマ、ネマ、ナンドがありました。接待場や日常生活の場だけでなく使用人が利用する囲炉裏などが見られ当時上層農家の生活の一旦が見る事ができます。旧野本家住宅は江戸時代末期に建てられた奥能登地方の上層農家建築の遺構として貴重なことから平成19年(2007)に金沢市指定文化財に指定されています。現在は「金沢湯涌江戸村」に移築保存され一般公開しています。
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