旧平家住宅(湯涌温泉)概要: 平家は上級農家で、鳳珠郡能登町(旧柳田村)で最も古くから土着した一族とされ「草分け」や「草分け市兵衛」など呼ばれていました(明和年間:1764〜1771年に平姓に改称)。現在の建物は18世紀中期に古材を再利用して建てられたと推定され、入母屋、茅葺、平入、開口部から採光が有効に取れるように正面の軒先が欠き込まれ、外壁は真壁造りで外壁保護の為上から杉皮が張られています。移築の際規模が縮小されましたが、開口部が少なく構造なども古い形式を残し手斧仕上げの部材も見られます。内部は向って左正面にニワと呼ばれる土間空間で、その奥には同じく土間のダイドコロ、板の間のオツギノマ、中央正面にはコマ、ナカノマ、その奥に囲炉裏付きのチャノマ、向って右側に畳敷きの座敷、その奥にナンドが配されていました。旧平家住宅は江戸時代中期に建てられた奥能登地方の上層農家建築物の遺構として貴重なことから昭和50年(1975)に石川県指定有形文化財に指定されています。現在は「金沢湯涌江戸村」に移築保存され一般公開しています。
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