重蔵神社(輪島市)概要: 重蔵神社は石川県輪島市河井町に鎮座している神社です。重蔵神社の創建は崇神天皇10年(紀元前88年)に大彦命が勧請したのが始まりと伝えられています。
天平勝宝8年(756)には泰澄大師(奈良時代の修験道僧、白山開山)が別当寺院を開山すると、以後、神仏習合し重蔵権現や十蔵権現、重蔵宮などと呼ばれました。
延長5年(927)に編纂された延喜式神名帳に記載されている式内社、鳳至比古神社又は辺津比盗_社の論社で鳳至郡の惣社として広く信仰されました(論社が多く天和3年と天明2年に住吉神社などと社号争論が起きてます)。
重蔵神社は歴代領主からも崇敬され地頭の長谷部氏(養和元年:1181年に長谷部信連が祈願所として銅瓶武具及柱松明木を奉納。永仁4年:1296年長谷部有連により本殿が再建)や温井氏(能登国守護職畠山氏家臣・文明8年:1476年に温井俊宗と神保光保が講堂建立。大永4年:1524年に温井孝宗が拝殿を造営)、加賀藩主前田家(天正8年:1580年に前田利家が武具及柱松明木を奉納。)から社領の寄進や社殿の造営などが行われています。
中世以降、石動山天平寺の支配下に置かれと社運も隆盛し境内には七堂伽藍が整備され多くの堂塔伽藍が建てられ、重蔵権現・十蔵大権現・重蔵宮とも称せられました。
明治時代初頭に発令された神仏分離令により仏式が廃され正式な神社となり、、重蔵神社に社号を改称、明治5年(1872)には郷社に大正12年(1923)に県社に列し明治39年(1906)に神饌幣帛料供進神社に指定されてます。
重蔵神社旧本殿(三間社流造、こけら葺)は国宝指定されていましたが明治43年(1910)の大火で焼失、焼け残った本堂の扉が輪島市指定文化財になっています(不思議な事に扉だけが海上に飛ばされ無事でした)。
現在の重蔵神社本堂は明治44年(1911)に再建されたもので、三間社流造、銅板葺き。拝殿は大正元年(1913)に再建したもので、木造平屋建て、入母屋、桟瓦葺き、平入、桁行8間、張間7間、正面1間向拝付き、外壁は真壁造板張り。火災前のものを模した造りになっているそうです。
重蔵神社は社宝も多く木造菩薩面(1面:平安時代末期から鎌倉時代初期に製作、縦21.4cm横19.1cm、行道面、現在は東京国立博物館保管)が国指定重要文化財に指定されています。
毎年8月23・24日に行われる重蔵神社の大祭は古式を伝える貴重な行事である事から、平成27年(2015)には「能登のキリコ祭り」の構成要素の一つとして日本遺産に認定されています。祭神は天之冬衣命、大国主命。
重蔵神社:上空画像
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