明泉寺(穴水町)概要: 白雉山明泉寺は石川県鳳珠郡穴水町字明千寺に境内を構えている真言宗の寺院です。明泉寺の創建は白雉3年(652)に開かれたのが始まりと伝えられ、孝徳天皇の勅願寺にもなっていた由緒ある寺院です。
平安時代初期の弘仁年間(810〜824年)には真言宗の開祖弘法大師空海も当寺を訪れ修業したとの伝承があり、その際、空から降ってきて夜を照らしたと云われる明星石が伝えられています。その後は隆盛を極め、鎌倉時代から室町時代にかけて周囲に大きな影響力を持ち境内には20棟の堂宇が建ち並んでいたそうです。
天正5年(1577)、上杉謙信の能登侵攻の兵火により多くの堂宇、記録、寺宝等が焼失し大きな被害を受けましたが境内には五輪塔、板碑、宝篋印塔などの中世の石造物が約150基、300m離れた鎌倉屋敷と呼ばれる墓地には約70基が残されており"明泉寺石塔郡在地"として昭和58年(1983)に石川県指定史跡に指定されています。
中でも高さ約6.8mの石造五重塔(推定鎌倉時代中期作)は室町時代末期の境内古絵図でも描かれている石造物で国指定重要文化財に指定されています。
明泉寺の寺宝として本尊で平安時代に製作された木造千手観音立像や藤原時代に制作された木造阿弥陀如来像、木造地蔵菩薩立像がありそれぞれ穴水町指定文化財に指定されています。
北陸三十三ヵ所観音霊場第18番札所(御詠歌:ふだらくや岸打つ波は諸橋の 白雉の山におとう松風)。北陸三十六不動霊場第8番札所。山号:白雉山。宗派:真言宗。本尊:千手千眼観世音菩薩。
明泉寺:上空画像
【 参考:文献等 】
・ 郷土資料事典-ふるさとの文化遺産-石川県-出版元:株式会社人文社
・ 現地案内板
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