聖霊修道院聖堂(金沢市)概要: 聖霊修道院聖堂は昭和6年(1931)に建てられたロマネスク風聖堂です。木造平屋建て、寄棟風の屋根ですが道路側の平面は曲線になっている為、多少いびつな形状で、尖塔屋根の鐘楼を象徴とし屋根の色も聖堂の屋根と異なることでより鮮明になっています。
聖堂の外壁は横板張、ペンキ仕上げ、開口部は上部を丸窓、下部をステンドグラスの縦長の上げ下げ窓にファンライト風の半円形の欄間を設え当時の洋風建築の要素を取り入れています。
内部は「三廊式」と呼ばれる形式でアーチと柱で仕切った側廊が左右に配され中心の身廊と共に聖堂は大きく3部屋で分けられ、建築当時は畳敷だった名残が現在でも見られます。天井は両側の側廊の柱に合わせて大きなアーチ梁が連続しヴォールトを構成しています。
設計はスイス人建築家マックス・ヒンデル、施工は岩永伊勢松が手掛けています。ヒンデルは大正時代末期から15年間日本に滞在し特に全国で数多くのロマネスク様式を採り入れた教会堂を設計しカトリック新潟教会(新潟県新潟市)、神田カトリック教会(東京都千代田区)、カトリック十和田教会(青森県十和田市)、カトリック松が峰教会(栃木県宇都宮市)などに携わっています。
聖霊修道院聖堂は昭和初期に建てられた洋風建築の遺構として貴重な存在で平成8年(1996)に金沢市指定保存建造物に指定されています。
聖霊修道院聖堂:上空画像
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