白米千枚田(棚田)概要: 白米千枚田は石川県輪島市白米町に位置しています。白米千枚田はは17世紀から19世紀半ばにかけて創り上げられたもので寛永15年(1638)頃には、能登小代官に赴任した下村兵四郎(板屋兵四郎)は谷山用水を開削し、急斜面(現在の行程差約56m)にも水が行渡るよう計画しています。名称の由来は文字通り「千枚の田」があるとも、「狭い田」が転じたとも云われ、現在は1004枚の水田が耕作されています。
1枚の水田の平均面積は18u程ですが最小は0.2uと非常に小さいもので敷地形状に合わせて有効に水田が配されるように形状や面積は1つとして同じものがありません。その為、山の中腹から日本海の浜辺近くまで続く約1.8haの棚田には独特な景観が見られ、水面が映える田植えの時期や、鮮やかな緑色に染める夏、黄金色に輝く稲穂、棚田に降り積もる雪景色など四季折々色々な表情を見る事ができます。
現実的には大型耕作機械を入れる事が出来無い為効率性は悪く後継者問題(現在はオーナー制度を導入している)にも直面している一方で、肥沃な土地の為、肥料を少なく出来、病気にも架かり辛く、良質の米が収穫出来るそうです。又、白米千枚田には次のような昔話が残っています。
案内板によると「 むかし、百姓夫婦が田植を終って、念のため水田の枚数を数えてみた。千枚あるはずなのに、どうしても2枚たりない。日も暮れたのであきらめて帰ろうと、そばにあった2人の蓑をとりあげてみると、その下に2枚の田が隠されてあったという。"蓑の下、耕し残る田二枚"の一句も伝えられている。」とあります。
白米千枚田は奥能登地方の生業と密接に結びついて形成されてきた顕著な文化的景観として貴重なことから平成13年(2001)に国指定名勝に指定されています。
又、伝統的な土地利用や手法、多様な生物資源、優れた景観、伝統的な技術、祭礼などの文化継承、現在の保全活動などが評価され平成23年(2011)に「能登の里山里海」として日本で初めて世界農業遺産に登録されています。その他にも「日本の米づくり百選」、「手作り郷土賞」、「手作り観光地百選」、「水の郷」、 「日本の棚田百選」にも選定され日本を代表する棚田と言っても過言がありません。
白米千枚田:上空画像
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