輪島市: 門前町黒島町

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概要・歴史・観光・見所
門前町黒島町(輪島市)概要: 黒島地区は16世紀前半に釜ェ口集落の人々が七軒丁(現在の本町)に移り住み集落を形成したのが始まりとされます。当初は漁業を生業とする漁民が中心でしたが、16世紀後期になると番匠屋善右衛門が廻船業を開業し次第に重要視されるようになりました。さらに総持寺(現在の總持寺祖院)が発展する、總持寺やその関係者、門前町の住民など多くの消費が行われ、それらを賄う為に御用船の出入りが活発になり数多くの廻船業者が輩出しました(森岡屋は總持寺の御用船を扱う船問屋だった)。さらに一向一揆の後方支援として物資や食料の調達なども行ってい、特に現在の金沢城は金沢御坊として加賀一向一揆の最大の拠点だった為、黒島集落を経由して物資が運ばれました。

江戸時代に入ると概ね天領(幕府直轄領)支配で推移し、西廻り航路が開削されと周辺に北前船が来航するようになり、当地は北前船の寄港地ではありませんでしたが、黒島集落から船主を数多く輩出するようになり集落内には船主をはじめ船頭や水夫など、北前船関係者が多く居住し急速に発展しました。黒島には角海家、森岡屋、中屋、番匠屋、玉木屋といった船主となる廻船業者が発生し大阪や京都から北海道まで広く商売を広げ大きく発展します。天和4年(1684)に天領になった時には能登半島に存在した天領代官支配の62集落の中でも最大級の規模を誇り、鎮守である若宮八幡神社の例祭である黒島天領祭(輪島市指定無形民俗文化財)では豪華な城郭を模った山車や奴振り行列が町内を練り歩き当時の繁栄が窺えます。黒島集落の最盛期は江戸時代後期から明治時代中期までで、北前船の衰退と共に衰微しましたが、その後も船大工や船乗りなどが居住し続けました。

黒島町の特徴としては町内に北前船が寄港出来る主要な港が無く、あくまでも廻船業者や船主、船頭、水夫達の居住地だった事で、物資の集積地や大きな商人町が発生しなくても、江戸時代初期から中期には150程度だった戸数も明治時代には500余戸となり大きく発展した事が分かります。明治時代中期になると、汽船や鉄道、道路網が整備され廻船業が急速に衰退しますが、黒島町では今までの操船技術を生かし近代船舶の船員に家業を転化した為、命脈を保ち昭和に入っても大きな衰退が見られませんでした。

黒島町の町並みは集落内を縦断する主要道(本町通・外浦街道)以外は車も通れない程の細かな路地が左右に分かれ、若干の傾斜に町割されている事から微地形を利用した坂や階段なども存在し変化に富んだ町並みが見られます。特に計画された町では無い為、敷地形状に合わせて敷地割りがなされ、緩やか曲線の道や坂道、車が通れないような細い路地、建物の形態も妻入り、平入りが混在し独特の風情が感じられます。現在の黒島地区は江戸時代当時の町割りが非常に良く残り、切妻、桟瓦葺(黒の釉薬瓦)、外壁下見板張り、意匠の特徴として2階正面外壁の両端にある「袖壁」、1階正面下屋庇の軒先にある「サガリ」、同じく下屋庇を支える「持ち送り」、玄関扉である「大戸」、正面開口部の「格子」、「掛戸」という伝統的な船主住宅が連続した独特の町並みを残しています。

黒島町の町並みを構成している建物の多くは基本的には町屋建築のように主屋が敷地一杯に建てられ隣家とも密着し、同じ石川県内で船主集落である加賀橋立は農家や武家屋敷のように屋敷型が多い集落とは赴きが異なっています。当然、金沢にある「東山ひがし」や「主計町」のような茶屋街の甘美な感じは一切なく質素堅実な町並みが見られます。特に廻船業を歴任した豪商角海家の邸宅は、明治4年(1871)の火災後の明治5年(1872)に再建された建物として貴重な事から、主屋と土蔵4棟(家財蔵、塩物蔵、小豆蔵、米蔵)が昭和47年(1972)に石川県指定有形文化財に指定され、平成28年(2014)に国指定重要文化財に指定されています。

輪島市黒島町の中心部東西約680m、南北約1300m、面積約20.5ha、保存物件として建築物148件、工作物101件、環境物件21件は文部省が定めた重要伝統的建造物群保存地区選定基準である「伝統的建造物群及び地割がよく旧態を保持しているもの 」との選定基準を満たしている事から平成21年(2009)に名称「輪島市黒島地区伝統的建造物群保存地区」、種別「船主集落」として国の重要伝統的建造物群保存地区に選定されています。

黒島町:写真

輪島市:黒島町
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