湯涌温泉(石川県金沢市・歴史)概要: 湯涌温泉の開湯は養老2年(718)、一羽の白鷺が 湯浴びをし傷ついた体を癒していたところ、紙漉きを生業とする住民がその姿を見て泉を触ると温かい湯が湧き出ているのを発見しました(諸説あり、白山を開山した泰澄大師により源泉が発見されたとも。温泉街に建立されている薬師堂には泰澄大師が彫り込んだと伝わる薬師如来像が安置)。そこで井戸を掘り石臼で枠を固めると井戸からは高温で多量の温泉が滾々と湧き出て広く知られるようになったと伝えられています。江戸時代に入ると加賀藩(藩庁:金沢城)主前田家とその一族の御湯として開発され、特に2代藩主前田利常(前田家3代目当主)と6代藩主前田吉徳は湯涌温泉を飲用すると重病が平癒したと伝えられています。その後、湯涌温泉が一般民衆も利用出来るようになると新たに湯宿なども設けられ多くの湯治客が訪れるようになります(湯涌温泉は藩主の御湯だった為、一般民衆の利用は固く禁じられていましたが初代「新屋:あたらしや」となった半左衛門が加賀藩に掛け合い民衆にも開放されるようになったと伝えられています。)。大正時代にドイツで行われた万国鉱泉博覧会に湯涌温泉が日本の名湯の1つとして紹介されると飛躍的に知名度が広がり文人墨客なども訪れるようになりました。特に当時の美人画の第一人者とされる竹久夢二が愛人彦乃を連れ立って逗留した事でも知られています。近年まで昭和12年(1937)の建築の総湯と呼ばれる共同温泉がありましたが現在は「総湯 白鷺の湯」として新築されました。
湯涌温泉泉質: ナトリウム・カルシウム - 塩化物・硫酸塩泉(源泉は4つ)
湯涌温泉効能: 神経痛・筋肉痛・関節痛・冷え性・動脈硬化・慢性消化器病・慢性皮膚病・慢性婦人病など
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