心蓮社(金沢市)概要: 金池山心蓮社は卯辰山山麓(石川県金沢市山の上町4丁目)に境内を構えている寺院です。心蓮社の創建は慶長17年(1612)、京都大本山清浄華院法王 休誉(心蓮社休誉露月)が塩屋町に開いたのが始まりと伝えられています。寛永14年(1637)に加賀藩2代藩主前田利常(前田家3代目当主)から現在地に寺地を拝領し移ってきました。文政12年(1815)に発生した金沢辰巳大火により、多くの堂宇、記録、寺宝が焼失し文政年間(1818〜1830年)に仮堂が建てられ、大正8年(1919)に本堂が改築されています。
心蓮社本堂背後にある庭園は江戸時代初期に作庭された築山池泉式書院庭園で、当時の寺院庭園の遺構として貴重なことから平成元年(1988)に金沢市指定名勝に指定されています。寺宝である絹本著色阿弥陀三尊来迎図(縦105.7p・横71.5p)は、平安時代末期に製作され、多田義仲の妻が息子の死の悲しみにより盲目となり、この来迎図に祈願したところ視力を取り戻したとい伝説から「開眼きの阿弥陀」とも云われるもので、意匠に優れ、保存状態も良く大変貴重な事から昭和25年(1950)に国指定重要文化財に指定されています。
心蓮社本堂は木造平屋建て、切妻、桟瓦葺き、妻入、間口6間、正面唐破風屋根付き、外壁は白漆喰仕上げ、花頭窓付、内部の内陣には本尊である阿弥陀如来像が安置されています。
山門は切妻、銅板葺き、一間一戸、薬医門。多宝塔は平成元年(1988)に建築されたもので、宝形屋根、銅板葺き、桁行3間、張間3間、中央には「平和」の扁額が掲げられています。
又、心蓮社境内周辺は江戸時代の寺町の雰囲気が色濃い町並みが残されており、名称「卯辰山山麓寺院群」として国の重要伝統的建造物群保存地区に選定されています。山号:金池山。宗派:浄土宗。本尊:阿弥陀如来。
心蓮社:上空画像
【 参考:文献等 】
・ 郷土資料事典-ふるさとの文化遺産-石川県-出版元:株式会社人文社
・ 現地案内板-金沢市教育委員会
・ 現地案内板
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