正覚院(羽咋市)概要: 亀鶴蓬莱山正覚院は石川県羽咋市寺家町に境内を構えている高野山真言宗の寺院です。正覚院の創建は不詳ですが養老2年(718)泰澄大師(白山を開山した奈良時代の修験道の高僧)が荒廃していた社頭を再興し一堂を建立したと伝えられています。
伝承によると泰澄大師が伊勢内外宮(三重県伊勢市)に参拝に訪れた際、霊夢で「恋しくば尋ねても見よ能く登る一つの宮の奥の社へ」との御告げを受け、それに従い気多大社の神宮寺を創建したとも云われています。
斉衡2年(855)に亀鶴蓬莱山気多太神宮寺の勅号を賜り、以来、気多大社(能登国一之宮)の神宮寺として寺運が隆盛しました。当初は天台宗の寺院でした中世に真言宗に改宗、明治時代初頭に発令された神仏分離令により気多大社から独立しています。
気多大社の神宮寺は正覚院の他、長福院・地蔵院・薬師院などがありましたが神仏分離令により廃絶しています。気多大社の仏式が廃された為、気多大社講堂内に安置されていた木造阿弥陀如来坐像や八咫の神鏡などが正覚院に移されています。
寺宝も多く藤原時代に製作されたという上記の木造阿弥陀如来坐像(像高:110.0cm、台高:75cm)が国指定重要文化財に指定されている他、絹本著色真言八祖像(8幅:室町時代制作、縦:80cm、横:36.5cm)、絹本著色十二天図(永禄7年:1564年、長谷川信春作、縦:80.6cm、横:37cm)が石川県指定文化財に、木造十一面観音立像、銅板打出日輪懸佛、古文書・典籍類が羽咋市指定文化財にそれぞれ指定されています。
北陸白寿三十三観音霊場第19番札所。北陸三十六不動霊場番外札所。宗派:高野山真言宗。本尊:大日如来。
正覚院:上空画像
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