御仏供杉(白山市)概要: 御仏供杉は推定樹齢680年、樹高18.7m、根廻り周囲7.6m、枝張りは東方約11.5m、西方約11.5m、南方約12.4m、北方約14.4m、を誇る大木で、仏飯を盛ったような形から御仏供杉という名が付けられたと伝えられています。又、梢が根のように四方に広がり枝が下に垂れ下がっているように見えている事から「倒さ杉」との異名があります。
御仏供杉に伝わる伝承によると、元徳11年(1330)に吉野の山中に祗陀寺を開山した大智禅師がこの地を離れる為に山から下りてきた際に使用していた杖を逆さにして突きつけた所、見事に根付いたとされます(後に祗陀寺を隠居寺とした明峰素哲の墓として植えられたとも)。大智禅師は仏法が盛んになる事を念じた事から残された村人達も霊木として篤く護り現在に見られる大木に成長し根元には石碑が建立されています。
大智禅師は鎌倉時代後期から南北朝時代にかけての肥後国の出身の曹洞宗の名僧で11年の間中国(当時元王朝)で修行して正中元年(1324)に当地に入り正中2年(1325)に祗陀寺を開山、元徳11年(1330)に肥後国菊池郡(熊本県菊池市)を本拠としていた菊池氏の招きにより肥後国に戻ったと伝えられています。
御仏供杉の根元には複数の石碑が建立されている事から信仰の対象になっていたと思われます。御仏供杉は杉の大木として大変貴重なことから昭和13年(1938)に国指定天然記念物に指定され、平成2年(1990)には新日本名木百選に選定されています。
御仏供杉:上空画像
【 参考:文献等 】
・ 郷土資料事典-ふるさとの文化遺産-石川県-出版元:株式会社人文社
・ 現地案内板-白山市
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