川縁米穀店(金沢市)概要: 川縁米穀店は江戸時代末期、大工が自らの住まいとして建てた建物と伝えられています。その後はその子孫が飴屋を営み、昭和5年(1930)から米穀商だった川縁家が買い取り、平成22年(2010)に金沢市の所有となっています。
建物は、木造2階建て、切妻、平入り、桟瓦葺(旧板葺、石押)、桁行5間半、外壁は真壁造り白漆喰仕上げ、大屋根から大きな天窓を設えていることが大きな特徴で、大きく張り出した軒の出は壁から出ている腕木によって支えられています。
正面1階部分も庇が大きく張り出し、実用的な一方で意匠的には水平面を強調する要素となり、2階両脇には袖壁が張り出し隣家への防火対策が見られます。内部は1階正面から「店」、「茶の間」、「奥の間」、2階は「居室」、「座敷」、「茶室」が配され、「奥の間」の上部は吹き抜けでその上部の屋根には天窓を設け、吹き抜け2階部周囲には吊り廊下となっています。
川縁米穀店は江戸時代後期に建てられた典型的な町屋建築の遺構として貴重な事から平成元年(1989)に金沢市指定保存建造物に指定されています。
金沢町家情報館:上空画像
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