俵屋(金沢市)概要: 俵屋は当初は屋号からも連想出来る米穀商でしたが、天保元年(1830)から現在地で飴屋を創業したと言われています。名物である「じろ飴」は初代次右衛門が母乳が出難い母親達の要望に答える形で試行錯誤により完成したもので、現在でも砂糖や添加物を使用しない当時の味を伝えています。現在の主屋は江戸時代末期に建てられたと推定される建物で、木造2階建て、切妻、金属板葺(元木端葺)、平入り、桁行6間半(11.8m)、梁間11間(19.9m)、1階正面には深い庇があり先端には下がり(幕板)が設えられ、入り口以外は格子戸が嵌め込まれています。
2階は1階に比べ階背が低く、正面は白漆喰で仕上げられ、開口部は格子が付き、両側には防火の為に袖壁が備えられています。内部は「店の間」、「作業場」、「オエの間」、「通り庭」、「茶室」などが配され旧形態が保たれています。俵屋主屋は江戸時代に建てられた町屋建築の遺構として貴重な存在で昭和60年(1985)に金沢市指定保存建造物に指定されました。
俵屋:上空画像
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