城南荘(旧横山邸)概要: 城南荘は明治27年(1894)、元加賀藩家老だった 横山隆平が尾小屋鉱山で財を成し居宅として建てた建物です。横山家は小野篁の後裔とされる名家で武蔵国南多摩郡横山を領した事から横山姓を名乗り、戦国時代に前田利家に仕えると度重なる戦功と、徳川家康の加賀征伐の回避などの功績により家臣ながら3万石が与えられ加賀8家に数えられました。横山隆平は万延2年(1861)に家督を相続し文久2年(1862)には藩の年寄を就任、廃藩置県後は豪商として名を馳せ明治14年(1882)に尾小屋銅山を買収すると鉱山主として発展し北陸の鉱山王の異名を持ちました。明治27年(1894)、長男隆俊の新婚後の新居が求められ旧本多主水屋敷跡の地に旧加賀藩の御用職人を集めて豪華な建物が建てられました。 横山邸は当時の横山家の財力と江戸時代の技術と明治の時代背景とが混じった建物で当時の高い技術が継承され、内部の書院の間には床や棚、出書院などの意匠や贅を尽くした銘木の利用など当見所が多く歴史的・文化的価値の評価が高い建物です。現在残されているのは私邸部分のみで公的な施設は殆ど破却され昭和24年(1949)以降は石川県の福利厚生施設として利用されています(見学可)。旧横山家住宅と旧横山家住宅土蔵は明治時代に建てられた近代和風建築の遺構として貴重な事から昭和54年(1979)に石川県指定有形文化財に指定されています。
城南荘:上空画像
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