春日神社(珠洲市)概要: 春日神社は石川県珠洲市飯田町に鎮座している神社です。春日神社の創建は奥能登の皇嘉門院の荘園である若山荘が設置された平安時代後期の康治年間(1142〜1144年)に荘園の鎮守として勧請されたのが始まりと伝えらています。
当初は若山社と称し近郷七ケ村の総社でしたが、鎌倉時代の弘長元年(1261)、九條家の荘園となり春日神社の神官である葛原伊勢守秀行が、大和(現在の奈良県)の春日神社の分霊を勧請し合祀して春日神社と改称しています。
その後、室町時代の文明年間(1469〜1487年)に現在地に遷座し、境内の鳥居や神橋の配置は鎌倉時代の名残が見られます。古くから神仏習合し別当寺院として報恩坊などが設けられましたが明治時代初頭に発令された神仏分離令により仏式が廃され昭和6年(1931)には郷社に列しています。
現在の春日神社本殿(三間社流造)は室町時代に建立されたものを江戸時代初期の正保3年(1646)に現在地に移築し飛騨の匠によって改修したものと伝えられ、数少ない室町時代の神社本殿建築の遺構として貴重な事から昭和34年(1959)に珠洲市指定文化財に指定されています。
拝殿は入母屋、銅板葺、正面千鳥破風、平入、桁行6間、正面唐破風向拝付き、外壁は真壁造り板張り。春日神社は社宝も多く本殿の他、木造随神像と木造狛犬、後柏原天皇宸翰御詠草が珠洲市指定文化財に指定されています。
境内にはは大伴家持が能登巡国の際に歌った「珠洲の海に朝開きして漕ぎ来れば長浜の浦に月照りにけり」の万葉歌碑や推定樹齢700年以上の大杉などがあり古社の雰囲気が感じられます。祭神は天児屋根命、武甕槌命、経津主命、比淘蜷_、若宮大神、大市姫大神。
春日神社:上空画像
【 参考:文献等 】
・ 郷土資料事典-ふるさとの文化遺産-石川県-出版元:株式会社人文社
・ 現地案内板(由緒)-春日神社
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