鶴仙渓(加賀市)概要: 鶴仙渓は山中温泉を流れる大聖川沿いにある渓谷で、こおろぎ橋(全長21m、総檜造り)から黒谷橋(昭和10年:1935年竣工、全長36m、コンクリート造)まで約1キロ続いています。弁慶岩、蛙石、烏帽子岩、平岩などの奇岩怪石が点在し、中には昔、蚊竜が住んでいて道明により退治されたと伝わる道明ヶ淵や中国金陵にある采石江辺に似ている采石巌があります。案内板によると「 目前の岩、さしたるものではないが鶴仙渓の一名勝として讃えられる。名づけて采石巌。文政年間詩人大窪詩仏によって命名さる。采石巌とは中国金陵の辺りに在りし泊舟の小馬頭にして附近の景色采石江辺に似たるよって名づけられしものという。昔、唐の粛宗の時、李太白官界の腐敗を嘆いて逍遥自在、この地に一夜天楽と共に現われし仙童二人と鯨背に乗りて昇天せりとの伝説が詩仏命名の由来である。・・・・(後略)」とあります。
鶴仙渓は山中温泉の中でも随一の景勝地とされ、元禄2年(1689)には松尾芭蕉も訪れ鶴仙渓を絶賛し「行脚の楽しみ、ここにあり」と言って拍手を打ち「山中や 菊は手折らじ 湯のにほひ」の句を残しています。現在は遊歩道が完備され気軽に散策が楽しめるようになっています。
【 参考:文献等 】
・ 郷土資料事典-ふるさとの文化遺産-石川県-出版元:株式会社人文社
・ 現地案内板
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