伏見寺(金沢市)概要: 伏見寺は石川県金沢市寺町5丁目に境内を構えている高野山真言宗の寺院です。伏見寺の創建は不詳ですが伝承によると養老元年(717)、芋掘藤五郎が寺院を建立し採掘した砂金で制作した本尊となる阿弥陀如来像に、行脚でたまたま当地を訪れた行基菩薩(奈良時代の高僧)が開眼供養したのが始まりと伝えられています。
又、伏見寺は金沢の地名の起こりとなったとされ、伝承によると「 山科伏見に芋掘りを生業としていた藤五郎が霊夢により京都の美しい娘と結婚しました。娘の実家から砂金が送られてきても、藤五郎は何の興味もしめさないことから嫁が尋ねると、藤五郎はこんなものは芋掘りをするといくらでも出てくると言いました。夫婦は砂金の付いた芋を現在の兼六園にある霊水で洗ったところから金沢の地名が起こったと云われています。」(境内には芋掘藤五郎のものと伝わる墓碑が建立されています)。
当初、伏見寺は石川郡山科村にありましたが、元和元年(1615)に快存和尚が現在地に移しています。本尊の阿弥陀如来像は平安時代初期に制作されたもので銅造鍍金像、像高22.1p、平安時代の金銅仏の遺構として大変貴重な事から昭和25年(1950)に国指定重要文化財に指定されています。
伏見寺の護摩堂に安置されている木造不動明王坐像は平安時代に制作されたもので一木造、平成26年(2014)に金沢市指定文化財に指定されています。
又、境内周辺は江戸時代の寺町の雰囲気が色濃い町並みが残されており名称「寺町台寺院群」として国の重要伝統的建造物群保存地区に選定されています。金沢三十三観音霊場第14番礼所。山号:行基山。宗派:高野山真言宗。本尊:阿弥陀如来。
伏見寺:上空画像
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