真成寺(金沢市)概要: 妙雲山真成寺は石川県金沢市東山2丁目に境内を構えている日蓮宗の寺院です。真成寺の創建は江戸時代初期の正保4年(1647)、妙成寺15世日条が加賀藩2代藩主前田利常(前田家3代目当主)の招きで小松で開山したのが始まりと伝えられています。
利常は寛永16年(1639)に家督を譲り、小松城20万石を隠居城とし、小松城や城下町の拡張整備を行った為、生母寿福院が篤く帰依していた妙成寺(日蓮宗)の末寺の創建を望んだと思われます。
万治元年(1658)に利常が死去した事もあり、万治2年(1659)に金沢城の城下町に移り、寛文11年(1671)に改めて現在地である卯辰山山麓に堂宇が造営されました。
真成寺の境内には利常が勧請したという鬼子母神が祀られており、周囲からは求児・安産・育児などの祈願で多くの参拝者が訪れ「手まりの像」や「人形塚]など産育信仰の名残も見られ現在でも人形供養がおこなわれています(鬼子母神像は丹羽長重が小松城の城主時代に天守閣に安置されていたものと伝えられています)。
又、産育信仰で奉納された着物類286点、柄杓223点、履物97点、よだれかけ22点、かわらけ13点、絵馬58点、提灯237点、人形7点、千羽鶴23点に及び、当時の産育習俗を知る資料として大変貴重な事から名称「真成寺奉納産育信仰資料」として昭和57年(1982)に国指定重要有形民俗文化財に指定されています。
又、境内周辺は江戸時代の寺町の雰囲気が色濃い町並みが残されており、名称「卯辰山山麓寺院群」として国の重要伝統的建造物群保存地区に選定されています。
真成寺山門は切妻、桟瓦葺き、一間一戸、薬医門(門扉付)、屋根の左右には鯱付き、袖壁には潜戸付。本堂は木造平屋建て、切妻、桟瓦葺き、平入、桁行6間、正面1間向拝付き、外壁は真壁造白漆喰仕上げ、腰壁は下見板張り。
真成寺の境内には文政6年(1823)に3代中村歌右衛門と中村歌之助が中心となり初代中村歌右衛門の追悼供養の為に墓が建立されています(初代中村歌右衛門は金沢の医者、大関俊安の子供として生まれた為、故郷に追悼したかったと思われます)。山号:妙雲山。宗派:日蓮宗。本尊:大曼荼羅。
真成寺:上空画像
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