金沢市: 尾崎神社

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概要・歴史・観光・見どころ

尾崎神社(金沢市)概要: 尾崎神社は石川県金沢市丸の内に鎮座している神社です。尾崎神社拝殿扉に施された三つ葉葵の透かし彫り尾崎神社の創建は寛永20年(1643)、加賀藩3代藩主前田光高(前田利常の長男)が初代将軍徳川家康を祀る日光東照宮(栃木県日光市山内)の分霊を金沢城の北の丸に勧請した事が始まりと伝えられています。当時、大名達は幕府の恭順の意を示す為、許可を得て東照大権現(徳川家康)を祀ることが許されていた為、特に有力な外様大名は日光東照宮に模した豪華な社殿を建立し幕府に反意が無いことを示しました。

加賀藩も例外ではなく、現在見られる豪華な彫刻や金物、朱色を中心とした極彩色で彩られた社殿を中心に境内には10数棟の建物、施設が建立され「金沢城の江戸」、「北陸の日光」などと呼ばれ日光東照宮の縮図といわれました。

尾崎神社の前身である金沢東照宮を創建した加賀藩3代藩主前田光高は母親が2代将軍徳川秀忠の娘である珠姫(天徳院)、正室は3代将軍徳川家光の養女である大姫(水戸藩主徳川頼房の娘)だった事から徳川家に近い人物で両親に似て美男子だったとされます。

歴史が感じられる尾崎神社の社殿
歴史が感じられる尾崎神社の社殿

家光から特別に可愛がられた事から、衆道(男色)相手とも、男子に恵まれなかった時期は跡継ぎ候補だったとも云われ、家光が寛永13年(1636)に日光東照宮(栃木県日光市)の大造替を行うと、全国にも盛んに東照宮が創建されるようになり、特に日光を模した権現造の壮麗な社殿が造営されました。

光高も早くに許可を得て居城である金沢城の城内に金沢東照宮(現在の尾崎神社)が創建されました。

尾崎神社は歴代加賀藩主前田家が庇護し社領120石が安堵しました。当初から神仏習合した事から東照三所大権現社と呼ばれ、東叡山の常照院が祭祀を司り、後に出雲寺が別当寺院となりました。明治時代初頭に発令された神仏分離令により仏式が排除され出雲寺の住職は還俗して尾崎神社の神官となっています。

明治7年(1874)に尾崎神社に社号を改称、明治11年(1878)に金沢城が陸軍省に接収された為、現在の社殿のみが現在地(旧加賀藩御算用場)に移築されました。

尾崎神社:上空画像

【 尾崎神社の文化財 】−現在の尾崎神社社殿は寛永19年(1642)に着工し寛永20年(1643)に竣工、設計、監修を木原木工允(幕府お抱え大工)、施工を金沢の大工が手懸けた建物で本殿は三間社流造、銅瓦棒葺、桁行3間、梁間2間、面積20.6u、外壁は極彩色で彩られ、金箔の装飾金具などが採用された豪華な造りで内部に一間の厨子が安置されています。

拝殿は木造平屋建て、入母屋、銅瓦棒葺、平入、正面千鳥破風、桁行3間、梁間2間、正面1間向拝付、外壁は真壁造板張り木部朱塗り。

幣殿は拝殿に直交一体化した建物で、入母屋、銅瓦棒葺、桁行2間、梁間1間、拝殿・弊殿合わせた面積は54.5u。中門は平唐門、銅瓦棒葺、一間一戸、透塀は、桟瓦葺、東西52尺、南北52尺。

尾崎神社本殿(附:厨子)・中門・透塀・拝殿及び幣殿(附:軒札3枚)は江戸時代初期に建てられた数少ない社殿建築の遺構で意匠、技術共に大変優れている事から昭和25年(1950)に国指定重要文化財(旧国宝)に指定されています。

神社山門(神門)は切妻、銅板葺き、三間三戸、桁行3間、張間2間、八脚単層門、外壁は柱のみの吹き放し、木部朱塗り、「尾崎神社」の社号額の扁額が掲げられています。祭神は天照大神、東照大権現、前田利常。

尾崎神社の文化財
・ 尾崎神社本殿(三間社流造)−寛永20年−国指定重要文化財
・ 尾崎神社拝殿及び幣殿(入母屋造)−寛永20年−国指定重要文化財
・ 尾崎神社中門(平唐門)−寛永20年−国指定重要文化財
・ 尾崎神社透塀(桟瓦葺)−寛永20年−国指定重要文化財

尾崎神社:周辺駐車場マップ

唐門を簡単に説明した動画

【 参考:サイト 】
フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』
【 参考:文献等 】
・ 郷土資料事典-ふるさとの文化遺産-石川県-出版元:株式会社人文社
・ 現地案内板


尾崎神社:ストリートビュー

尾崎神社:本殿・拝殿・写真

尾崎神社境内正面に設けられた神門(神社山門)
[ 付近地図:石川県金沢市 ]・[ 金沢市:神社・寺院 ]
尾崎神社神門(神社山門)から見た境内 尾崎神社拝殿正面と石造狛犬 尾崎神社境内に生える枝垂桜越に見える拝殿 尾崎神社中門とその背後に控える本殿


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